生活が不規則だと妊娠しにくい? 夜勤・シフト勤務のときにできること
この記事の要点(30秒でわかる)
- 勤務形態そのものが原因と断定できない理由を、学会の記載にもとづいて示します
- 不規則な生活で実際に起きやすいこと5つと、その中で妊活に効く順番を扱います
- 生活を変えられない前提で、受診・睡眠・食事のどこから手をつけるかを挙げます
夜勤や交代勤務、締め切りに追われる時期。生活リズムを自分で選べない人は多くいます。結論から言うと、不規則な生活そのものが不妊の原因だと断定することはできません。ただ、その生活の結果として起こりやすいことの中に、学会がリスク因子として挙げているものが含まれます。
食事と体づくり全体の考え方は妊活の食事と体づくりのページにまとめています。
不規則な生活そのものが原因になる?
なりません、とも、なります、とも言い切れません。日本生殖医学会が「不妊症になりやすい人」として挙げているのは、年齢・月経不順・月経症状の強さ・やせや肥満・性感染症の既往・喫煙や過度の飲酒といった項目で、勤務形態そのものは挙げられていません(2026年9月確認)。
食事と体づくりの具体策は『妊娠しやすい身体作り』にまとめています。
つまり見るべきなのは「不規則かどうか」ではなく、不規則さの結果として何が起きているかです。
学会が挙げているリスク因子は?
| 挙げられている項目 | 不規則な生活で起きやすいこと | |
|---|---|---|
| 女性側 | 年齢/月経不順/月経痛・経血量が多い/やせ・肥満/性感染症や骨盤腹膜炎の既往/喫煙・過度の飲酒 | 体重の増減、食事の偏り、受診の先延ばし |
| 男性側 | 年齢/生活習慣の乱れ(喫煙・過度の飲酒・肥満・睡眠不足) | 睡眠不足、体重増加、飲酒の習慣化 |
男性側については、学会は喫煙・過度の飲酒・肥満に加えて睡眠不足を明記しています。運動によって減量したところ精液所見が改善したという報告があることにも触れています。夜勤のある家庭では、男性側の生活のほうが先に効くことがあります。
夜勤・シフトで実際に起きやすいことは?
- 睡眠が分断され、総量も不足しやすい
- 食事の時間帯がずれ、内容が簡素になりやすい
- 体重が増える、あるいは食べられずに減る
- 平日の日中に受診できず、検査の機会を逃す
- 疲労から飲酒や喫煙が習慣になりやすい
この5つのうち、妊活の観点でいちばん惜しいのは最後から2番目です。月経周期に合わせて行う検査があるため、受診できない期間が続くと、それだけで数か月が過ぎます。
生活を変えられないとき、何から手をつける?
勤務そのものは変えられない前提で、影響の大きい順に3つだけ選びます。受診の予定を先に確保する/起きる時刻をできる範囲でそろえる/食事は形だけ整える。この順番です。
- 受診:夜間・土日に対応する施設を探し、検査の時期を先に相談しておく
- 睡眠:総時間より、起床時刻の振れ幅を小さくすることを優先する
- 食事:主食だけの食事に、たんぱく質のおかずと野菜を一品足す
- 体重:短期間で大きく増減させない(極端な減量は月経の乱れにつながることがあります)
受診の予定はどう取る?
月経周期に合わせて行う検査があるため、「行ける日に行く」では合わないことがあります。予約の際に勤務が不規則であることを伝え、どの時期に何の検査が必要かを先に聞いておくと、少ない通院で進められます。オンラインでの相談や結果説明に対応している施設もあります。
生活習慣と妊娠しやすさの関係には個人差があり、勤務形態だけで結論は出ません。気になる症状がある場合や、周期の乱れが続く場合は医療機関にご相談ください。
この記事のよくある質問
夜勤をしていると妊娠しにくいですか?
勤務形態そのものが不妊の原因と断定することはできません。ただ、睡眠不足や体重の変動、受診機会の減少など、学会がリスク因子として挙げる項目と重なることが起きやすくなります。
生活リズムを整えないと妊活を始められませんか?
いいえ。整うのを待つより、受診して現在地を確認するほうが先です。検査の時期は勤務に合わせて相談できます。
男性の夜勤も関係しますか?
日本生殖医学会は、男性の生活習慣の乱れとして喫煙・過度の飲酒・肥満に加えて睡眠不足を挙げています。二人で見直す価値があります。
参考にした一次資料
- 日本生殖医学会 生殖医療Q&A Q5 どんな人が不妊症になりやすいのですか?
- 日本生殖医学会 生殖医療Q&A Q25 男性の加齢は不妊症・流産にどんな影響を与えるのですか?
- e-ヘルスネット(厚生労働省)たばこの煙と受動喫煙
数値や要件は改定されることがあります。本文の内容は上記の資料を2026年9月に確認して記載していますが、ご利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。