流産・着床しないことをどう受け止めるか — 不育症という言葉について
この記事の要点(30秒でわかる)
- 流産の多くが偶然的な要因によるとされる、という前提を最初に示します
- 不育症という言葉が指す状態と、検討される検査の範囲を整理します
- 公的な相談窓口を含めて、ひとりで抱えないための選択肢を挙げます
妊活のなかで、いちばん言葉にしづらいテーマです。まず知っておいていただきたいのは、流産は決してまれな出来事ではなく、多くは避けようがない偶然によって起こるとされている、ということです。
検査や治療の流れ全体は不妊治療の流れのページで扱っています。
流産は自分のせい? 原因の考え方
「あのとき動きすぎたから」「仕事を休まなかったから」と考えてしまう方は少なくありません。しかし、初期の流産の多くは受精卵の側の偶然的な要因によるものと説明されており、日常生活の行動が原因になることは考えにくいとされています。原因を自分の行動に求める必要はありません。
着床しないときや流産のことは『はじめての不妊治療』の第六章で扱っています。
年齢によっても流産の割合は変わります。日本生殖医学会がまとめた2022年の生殖補助医療の集計では、妊娠が成立したあとの流産率は33歳ごろまで約15〜19%、39歳で30.3%、43歳で47.3%と報告されています。つまり流産は、特別な人に起こる例外的な出来事ではありません。
不育症とは? 流産を繰り返す場合
妊娠はするものの、流産や死産を繰り返して子どもを得られない状態を指す言葉です。日本生殖医学会は、2回以上の流産を経験する頻度は約5%、3回以上の流産(習慣流産)は約1%といわれ、国内の不育症の患者数は約35万〜50万人程度と見積もられていると説明しています(2026年9月確認)。
該当する場合には、原因を調べるための検査(血液の凝固に関するもの、ホルモン、子宮の形態、染色体など)が検討されることがあります。
不育症の検査で何が分かる?
検査を行っても原因がはっきりしないことは珍しくありません。それでも、次の妊娠に至る方は多いと報告されています。「原因不明」は「見込みがない」という意味ではない、という点は、覚えておいてください。
流産のつらさはどこに相談する?
パートナーと悲しみ方が違うことがあります。どちらかが平気に見えても、感じていないわけではありません。話す時間を無理に作らなくてもよいので、「いま話せない」ということだけでも共有できると距離が開きにくくなります。気持ちの落ち込みが続くときは、外部の支えを使ってください。こども家庭庁の案内によると、各都道府県などに設置された「性と健康の相談センター」で、不妊症や不育症に関する医学的・専門的な相談や、経験者によるピアサポートを受けられるとされています(開設時間は地域によって異なります)。
この記事は一般的な情報提供です。診断や検査の必要性は個々の状況によって異なります。つらさが続くときは、我慢せず医療機関や相談窓口にご相談ください。
この記事のよくある質問
流産は珍しいことですか?
いいえ、決してまれではありません。特に初期の流産は、受精卵側の偶然的な要因によることが多いと説明されています。
自分の行動が原因ですか?
日常生活の行動が原因になることは考えにくいとされています。ご自身を責める必要はありません。
検査で原因が分からないこともありますか?
あります。原因がはっきりしない場合も、次の妊娠に至る方は多いと報告されています。方針は担当医とご相談ください。
参考にした一次資料
- 日本生殖医学会 生殖医療Q&A Q18 不育症の人はどのくらいいるのですか?
- 日本生殖医学会 生殖医療Q&A Q16 生殖補助医療の治療成績はどの程度なのですか?
- こども家庭庁 みんなで知ろう、不妊症不育症のこと
数値や要件は改定されることがあります。本文の内容は上記の資料を2026年9月に確認して記載していますが、ご利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。