体外受精の流れ — 採卵から移植、妊娠判定まで
この記事の要点(30秒でわかる)
- 排卵誘発から妊娠判定までの6ステップを、順番に説明します
- 通院が集中する時期と、移植までにかかる期間の目安を扱います
- 胚のグレードをどう受け止めるか、意味の限界に触れます
体外受精は言葉だけが先に知られていて、実際に何をいつするのかは説明を受けるまで分かりにくい治療です。全体の順番を先に知っておくと、通院の予定も立てやすくなります。
ここに至るまでの検査と段階は不妊治療の流れのページで扱っています。
規模の感覚として、日本生殖医学会は日本産科婦人科学会の調査をもとに、2022年に全国602施設で545,630治療周期が行われ、出生児数は77,206人だったと紹介しています。これは日本で生まれた児の約10人に1人にあたります(2026年9月確認)。珍しい治療ではありません。
体外受精の流れは? 6つのステップ
- ① 排卵誘発:卵胞を育てるために薬を使います。使う薬や量は方針によって幅があります
- ② 採卵:育った卵胞から卵子を採ります。麻酔の方法は施設によって異なります
- ③ 受精:精子と卵子を一緒にする方法(体外受精)と、精子を直接注入する方法(顕微授精)があります
- ④ 培養:受精した卵(胚)を数日育てます
- ⑤ 移植:育った胚を子宮に戻します。採卵と同じ周期に行う方法と、いったん凍結して別の周期に戻す方法があります
- ⑥ 妊娠判定:移植から一定期間後に、血液検査などで確認します
採卵や胚のことをもう少し詳しく知りたい方は『はじめての不妊治療』の第六章が対応します。
体外受精は1回にどのくらいかかる?
採卵までの通院は、卵胞の育ち方を見ながら数日おきになることが多く、日程が直前に決まることもあります。仕事の調整がいちばん難しいのがこの時期です。凍結して別の周期に移植する場合は、採卵の周期と移植の周期で合計2か月以上かかることもあります。
体外受精の成功率は年齢でどう変わる?
日本生殖医学会がまとめた2022年の集計では、治療開始周期あたりの生産率(児が生きて生まれる確率)は32歳ごろまで約22〜23%でほぼ一定、33歳から年に約1%ずつ、37歳からは年に約2%ずつ下がり、39歳12.7%、40歳10.8%、43歳4.2%と報告されています。妊娠したあとの流産率も、33歳ごろまでは約15〜19%、39歳30.3%、40歳32.6%、43歳47.3%と上昇します(2026年9月確認)。
厳しい数字ですが、意味があるのは「あきらめる材料」としてではなく「先延ばしにしない材料」としてです。同じ治療でも、受ける時期によって結果の見込みが変わることを示しています。
胚のグレードは妊娠率とどう関係する?
胚には見た目にもとづく評価がつけられますが、これは妊娠を保証する指標ではありません。評価が高くても着床しないことがあり、その逆もあります。数字や記号に一喜一憂しすぎないよう、意味を医師に確認しておくと落ち着いて受け止められます。
体外受精に保険は使える? 回数の上限は?
2022年4月から不妊治療の一部が公的医療保険の対象になりました。年齢や回数の要件が定められており、内容は改定されることがあります。先進医療にあたる技術を併用する場合の扱いも含め、費用の見通しは治療を始める前に医療機関で確認しておくと安心です。
治療の進め方は個々の状態によって異なります。本記事は一般的な情報提供であり、特定の治療をすすめるものではありません。
この記事のよくある質問
採卵は痛いですか?
麻酔の方法や感じ方には個人差があります。使用する麻酔は施設によって異なるため、事前に確認し、不安があれば相談してください。
採卵から移植まではどのくらいかかりますか?
同じ周期に移植する方法と、凍結して別の周期に移植する方法があります。後者では合計2か月以上かかることもあります。
胚のグレードが良ければ妊娠しますか?
グレードは見た目にもとづく評価で、妊娠を保証するものではありません。結果の受け止め方は担当医にご確認ください。
参考にした一次資料
数値や要件は改定されることがあります。本文の内容は上記の資料を2026年9月に確認して記載していますが、ご利用の際は必ず最新の情報をご確認ください。